BALL チャイルドシートの装着方法
 「ポルシェ928に装着できるチャイルドシートが見つからない」という声をよく伺います。確かに、独特な形状のリアシートは、狭さ、角度、高い位置にあるシートベルトバックルという3つの要因から、確実に固定できる市販品はまず見あたりません。

 通常なら「では、純正品を・・・」ということになるのでしょうが、残念ながら928の場合、生産が終了して久しいため、当時の純正チャイルドシートの本国在庫はすでに無くなっています。

 そこで、今回は、当時のポルシェ純正チャイルドシートのベースモデルであり現在も販売されている、独カールシュタール社のカーリスーパーというチャイルドシートを、純正品と同様に装着する方法をご紹介します。

1  右(青色)が当時の純正品、左(緑色)が現行のカーリスーパーです。若干の仕様、形状の違いがありますが、基本的にほぼ同じ物です。

 なお、色彩的に非常に派手な印象を受けるかと思いますが、彼の地では、万が一の時にそこに子供がいることが、外からすぐに認識できるように、敢えてこのような柄が使われています。

2  純正品の相違点は、底の部分にマジックテープで装着する、このようなフィッティングパーツが付属していることです。

 発泡スチロール製のこの台座のおかげで、928のリアシートにぴったり収まるようになるのです。

3  ならば、このパーツを自作してしまえばよい、ということで、寸法を掲載します。(単位ミリ)

 写真のように、最大幅約300ミリ、最小幅約200ミリ、奥行き約150ミリで、70:80のところに峰があります。高さは約40ミリです。

4  ホームセンターで購入した発砲スチロール塊から削り出したもの。

 なお、どうせクッションの上に乗るものですから、上記寸法にはそれほどこだわらなくても大丈夫です。

5  同じくホームセンターで購入した、シール式のスポンジシートでお化粧してみました。

 どうしても、あとあと縁の部分がはがれ、めくれてくると思いますが、下手に接着剤を付けると発泡スチロールが溶けるので注意が必要です。ちなみに私は、コーキング剤を使いました。

6  裏面にマジックテープを貼り付けます。マジックテープには、硬い起毛と柔らかい起毛の2種類のテープがありますが、こちらには硬い方を貼付します。

 逆にしても機能的に問題はありませんが、チャイルドシート本体をファブリックシートの車両と使い廻した時に、バリバリとくっついてしまいます。

7  本体側に柔らかい起毛のテープを貼付します。

 底面にはスポンジが貼られていますので、これをテープに合わせて切り抜いて、心材に直接貼付するようにしてください。テープの位置は、現物合わせでお願いします。

8  装着したところ。

 おおむね、後縁から約50ミリ程度のところで丁度よいと思いますが、現物に合わせて位置決めしてください。

9  市販品(奥)と純正品(手前)を並べて装着したところ。

 なお、これらを装着するには、3点式シートベルトが装備されていることが前提になっています。S以前の2点式の場合は、3点式に換装することをお勧めします。年式等によるかも知れませんが、取り付け用のボルト穴は、内張の下にあらかじめ開けられているはずです。

 なお、当然のことながら、これは安全基準等を何ら満たすものではありませんので、たとえ、この方法をお試しになられて何らかの損害を被った場合でも、当方は一切の責任を負うことはできません。あくまでも自己責任でお願いします。