BALL 購入に際し留意する点

目次に戻る

●ショップ選び

「車選びはショップ選び」とよく言われますが、もちろん928も例外ではありません。
Gポルシェならば保証内容、履歴、修理履歴等間違いないのですが、価格はショップに流出しているポルシェより100万〜200万は高いと考えた方がいいですし、何より928は1995年に生産が終了していますので、年式の問題でGポルの基準をクリアする個体が少なくなってきています。
そのため、まず、信頼がおけそうで、工場もしっかりしているショップを見つけて、出物を探してもらうのがよいと思われます。
928は、今は安くても新車で1500万した車です。その分高価な部品や複雑な構造を持っていますので、壊れると相当高く付きます。したがって、程度のいい車を探す必要がありますが、素人では判断が難しいし、プロでも見落としがあります。そこで、信用のおけるショップで探してもらって、保証も付けてもらう、というのが最もよい方法でしょう。
もちろん、店頭に並んだ車や雑誌の広告に掲載された車の中にも程度の良いものはありますが、プロは情報網を持っていて、程度の良いものが出たら広告に流れる前にすぐ引っ張ってしまいます。逆に、引っ張れる人に頼んでおくと、良いものに出会える確率も高いかと思われます。
また、購入したところで整備もできればそれに越したことはないのですが、整備には他車と若干違った技術を要するポルシェの性格上、場合によっては購入と整備は別のショップでと割り切るのも1つの手だと思います。
いずれにしても、信頼できるショップで保証付きの購入が、失敗しないための絶対条件です。

目次に戻る



●機関等の程度

まず、一発でエンジンが掛かる事、アイドリングが不安定なのは避けましょう。駆動系から異音(キュルキュル等)がするものもいけません。
また、エンジン始動後しばらくしてもタペットノイズが消えないものは、近いうちに油圧タペットの交換が必要になると思われますので、避けた方が無難です。
エンジンからのオイル漏れは、カムカバーからのにじみ程度であれば問題ありませんが、オイルパンのガスケットからの漏れは修理代がかかる場合がありますので注意しましょう。
ATからのオイル漏れも時折見られますので、要チェックです。オイルクーラーのホースの継ぎ目からのにじみ程度なら、ホース交換だけで治りますが、本体から漏れている場合は修理代がかかります。
このほか、ステアリングギアボックスの異音やオイル漏れにも注意が必要です。ステアリングギアボックスは非常に高価で、場合によってはOHも可能ですが、基本的に交換となります。

目次に戻る



●走行距離

走行距離に関しては、簡単にガタが来るボディではないですから。それほど気にしなくても大丈夫ではないかと思います。むしろ、距離そのものよりも、どのような状態でその距離を走ったかの方が重要です。高速道路が中心の場合と、ゴー・ストップの多い街中走行中心の場合とでは、同じ走行距離でもボディが受けているストレスは違ってきます。
どちらにしても、よっぽどの距離を走っていない限り問題はありませんから、走行距離よりも機関重視で選んだ方がよいと思います。

目次に戻る



●電装系

エアコンのトラブルがよく聞かれます。
毎年、あるいは2年に1回程度の割合でエキスパンションバルブを交換しなければならないなどというのは、まだましな方で、中には毎年エバポレーターを交換しなければならないといった例もあります。
その一方で、何年もノントラブルの個体もあり、これは928の中でも最も当たりはずれが激しい部分かも知れません。
購入の際は、冷え具合をチェックし、少なくてもその時点で不調なものは避けた方が良いでしょう。
なお、93〜94年式の購入を検討している場合は、エンジンルームのハーネスが経年変化に弱いので、対策品と交換されているか(または、納車前に交換してくれるか)をチェックしましょう。

目次に戻る



●内装

内装は、さすがに年数が経過しているものが多いことや、構成するパネルも大きいため、きしみ音が出ることが多いですが、多少のことは仕方ないと割り切って、内外装の程度よりも機関の状態重視で選ばれた方が間違いないでしょう。
とはいえ、あまりにも内装がひどい場合は、前オーナーがそれだけ手荒に扱っていたということになり、全体的な状態にも不安がありますので、このようなものは避けるべきです。
外装は比較的容易に補修できますが、内装はそうは行きませんので、そうした意味では、内装の程度を良くチェックすることで、前オーナーがどのように扱っていたかを判断することが出来、その個体の程度を知る重要な手がかりになると言えます。

目次に戻る



●右ハンドルと左ハンドル

右ハンドル仕様にはエアバッグが装着出来ないというデメリットはありますが、日本の公共施設は右ハンドル車の方が利用しやすくできてるわけですから、通常の使用では右ハンドルの方が便利だと思いますが、右ハンドル仕様は絶対数が少ないことから、程度のいいものを探すとなるとなかなか大変というのが現状です。
もしも右ハンドルの車に慣れておられ、左ハンドル車に対する特別なこだわりがないのでしたら、各部の不調が無いことをよく確認した上で、右ハンドル車を購入なさるとよろしいと思います。
なお、右ハンドルの場合のチェックポイントとしては、ステアリングラックの中古部品やリビルト品が極端に少ないので、壊れた場合はたいてい新品交換となり、相当高価なものとなるので、ステアリング回りの異音、がたつき、オイル漏れなどに注意が必要です。

目次に戻る



●燃費はどのくらい?

ポルシェ928の燃費は、平均して都内5Km/L、高速9〜10Km/Lといったところです。もしもこれを極端に下回るようなら、何らかのトラブルがあると考えられます。

目次に戻る